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まちをつくっちゃおう!プロジェクト スタッフコラムたったひとりだったパン屋さんから、支えあい育ちあう仲間へ

鈴木 麻実(久地園)

消防士体験第1回目のお仕事面談から、「パン屋さんがやりたい!」と決めていたNちゃん。何度も面談をしますが、回数を重ねるごとにパン屋への意欲が強くなり、自主的に調理職員にパンの作り方を聞きに行き、メモを取ろうとする姿がありました。絵本の中に出てくるパンを見ながら、「こんなのが作りたいな~」とイメージを膨らませます。
Nちゃんは、Hちゃんのことを終始パン屋に誘っていました。Hちゃんは、仕事のイメージが掴み切れず、どんな仕事をしたいか自分の力では決められないでいました。「H、一緒にやる?どう?」と毎日欠かさず声を掛けます。
Hちゃんに、誰と仕事をしたいか聞いたところ、「Nとやりたい」と返答があり、正式に決定しました。
一方でAちゃんは、「ケーキ屋かなぁ」「パン屋もいいなぁ」と仕事を迷っていました。
そこで、保育者からNちゃんがパン屋志望であること、パン屋は今のところ2人しかいないことを伝えると、「それは大変そう!わたし手伝いたい!」と、パン屋になることに決めました。
そして、事情があって一時ぶどうを離れていたHくんが9月からぶどうに戻ってきました。
当然どんな仕事がしたいかイメージが湧かず、迷っている様子でした。そこで保育者から、いま久地園のみんながどんな仕事をしようとしているか一つずつ紹介すると、「パン屋いいかも」とつぶやくHくん。
このつぶやきを、パン屋の3人に伝えると、「Hも一緒にやろうよ!」「こんな感じでやろうと思っているんだ!」「○○先生が応援してくれるよ」とHくんを誘い始めます。この誘いが彼の背中を押し、Hくんもパン屋になることに決めました。
メンバーが決まると、仕事の役割を考えます。Hちゃんができそうなことからみんなで考えました。
「これだったらHもできるんじゃない?」「それだと難しいから、こうすればHもできそう!」「H、どう?」と、イメージが湧きにくいHちゃんに、色々な提案をしました。
他の役割は、何度も話し合いをして合意形成を取りながら決めました。
当日は、それぞれの役割に責任を持って、いきいきと仕事をこなします。NちゃんとHちゃんは、二人でパン屋の宣伝にまちを回る姿もありました。それぞれ担当したパンが完売すると、とても喜び、サポートスタッフに報告をし、達成感に満ち溢れている様子でした。
たったひとりから始まったパン屋さん。友だちのつながりで4人になり、仲間同士で助け合いながら仕事をやり切りました。
相手のこと、自分のこと、そしてパン屋のことを考えて行動する子どもたちの姿に、頼もしさを感じるとともに、子どものつながりって世界が広がる!と実感しました。

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