ぶどうの日常

自分で選んで自分で決める

ぶどうの日常の保育は
「自分で決めて自分で選ぶ」ことがたくさん。

セカンドステップ

子どもと共に学び合うセカンドステップ子どもと共に学び合うセカンドステップ

セカンドステップとは、1980年代に米国にて作成された教育プログラムです。2001年には、全米で「もっとも効果的なプログラム」として、米国教育省より最優秀賞を受けました。日本では300を超える学校や保育園、児童養護施設などで実施され、効果を上げています。
ぶどうの木では、かれこれ20年近く前になりますが、新聞に載っていた小さな記事を見つけて日本子どものための委員会が主催する初めての研修会に参加したのをきっかけに、今では各園でそれぞれが日々の保育の中で展開し、学びと気づきを深めています。

\相互の理解/

自分の気持ちを表現し、相手の気持ちに共感して、お互いに理解し合い思いやりのある関係を作る。

\問題の解決/

困難な状況に前向きに取り組み、問題を解決する力を養って、円滑な関係をつくる。

\怒りの扱い/

怒りの感情を自覚し、自分でコントロールする力を養って、建設的に解決する関係をつくる。

保育園は0歳児から5歳児までの発達が著しい乳幼児期の子どもたちが保護者から離れて長時間過ごす場です。子どもたちの発達や興味関心はひとりひとり違うので、当然意見の衝突はありますし、激しいトラブルもよくあります。この中で子どもたちがセカンドステップを学び、このソーシャルスキルを身につけ、様々な葛藤を乗り越える経験は、これからの人生に必要な能力や資質を高めることになると思っています。

また、常々子どものエピソードに出会い、育つ姿を見るたびに、私たち大人ができているかとわが身を振り返ることがあります。様々な人間関係の中で、気持ちがぶつかり合ったときに、感情をコントロールして相手も尊重しながら伝えたいことをはっきりと言えているだろうか?人にどう思われるかを気にしてしまい自分も他者も大切にしながら、自己主張することに臆してしまうことがあるからです。

しかし、これからの時代は、「多様性・ダイバーシティ」という言葉が日本でも浸透してきて、性別・国籍・人種・年齢など様々な違いを問わず「多様な人材を認め、活用すること」があたりまえの世の中になりつつあります。これからの時代を生きる子どもたちにとって、生まれも育ちも価値観も生き方も違う他者と時には力を合わせ問題を解決したり、何かを創り出すことが求められることがあるかもしれません。ですから、なおさらのことセカンドステップの学びとスキルの獲得は子どもたちにとって一生もののスキルだと思います。そして、大人である私たちも子どもたちと共にセカンドステップを学びながら、「違い」を認識し豊かな感性と包容力をもって受け止め、融合し、お互いを尊重しながら自己主張し相互理解のもとで問題解決ができるようになりたいと思っています。

セカンドステップ

子どもと共に学び合うセカンドステップセカンドステップってどうやるの?

まずはまねっこ遊びからセカンドステップに触れていきます。
教材に付属するカードやパペットを用いてゲーム感覚で、繰り返し同じ動きをしながら、肯定的なストロークを送り続けます。あえて「同じ」に注目しながら遊びを入れることで、子どもたちが「意識して」活動する足場づくりをします。繰り返しの中で、「ねぇ!出来ている?」「合っている?」と子どもたち自身が意欲的になっていきます。
保育者が客観的に行動について、「手が目のところにあるね」「背中が伸びて、お尻が椅子に全部ついているね」など言葉で表現して伝えることで、互いに子どもたちで行動を整え合います。身体の使い方を整えることで、心が整う感覚を培っていきます。
3歳児は、サークルタイムに参加しながら学びのステップを通して、セカンドステップの基礎に触れていきます。保育の生活の中で、泣くことで気持ちを訴えるのではなく、子どもが自分で気持ちを落ち着かせてから、困っていることや助けてほしいことをアサーティブに伝えることで、仲間との良好なコミュニケ―ションをスキルとして習得していきます。
4、5歳児からレッスンカードを用いて保育の中で構造化して積み上げて深めていきます。
友達とのやり取りが増える4歳児は、「学びのスキル」を復習してから、「いろいろな気持ちの理解」を学ぶことで、快・不快の単純な感情がさまざまに分化して、いろいろ気持ちがあることを学びます。そして自分の気持ちにラベリングができるようになります。
やりとりを通して友だちの気持ちも理解できるようになっていき、事象や出来事のかかわりを通して気持ちが動くことにも気づいていきます。こうして友だちの気持ちを読み取り自分のことのように感じることで、「共感」が育まれていきます。
一人ひとりの友だちにはそれぞれに「違う気持ちがある」ことに気づき、同じ体験をしても「気持ちはそれぞれで違うことを認め合う」ことができる関係になります。違いを認識し、受け入れられることで、子どもたちは友だちから仲間になることができるのです。

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