ぶどうの木は、ひとが育つ・ひとを育てる・ひとと育ちあう、――― そんな生き方を応援します

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保育方針と目標

保育方針と目標

保育施設の運営方針
保育所は、ひとり一人の子どもたちが、個としての意識をもつ主体としての「私」として尊重され、いま・ここで、安全に健やかに養護・教育されつつ、将来に向けて自らの人生をよりよく生きるために、自らの可能性を十全に開花させるための成長の根と希望の種を育む場でなければなりません。さらに、子ども・親・地域の人が「育つ・育てる・育ちあい」ながら、互いにひととして支えあい、よりよく生きあうために、互いにつながりあい、互いに創りあう関係の構築を通して、地域におけるコミュニティの場としての大事な拠点のひとつになるべきであると、私たちは考えています。
そのために私たちは、保育を実践するうえで以下のことを目標として掲げます。
1.児童福祉法・児童憲章・子どもの権利条約に基づいた乳幼児の最善の利益を考慮した保育事業を行なうこと。
2.私たちの思いや願いに根ざした理念に基づいた保育事業を行なうこと。
3.地域や利用者が求める多様な子育てニーズに、柔軟に対応できる保育事業を行なうこと。
さらに私たちは、「保育所保育指針」を踏まえつつ、私たちが描く保育所のあり方に基づき、目標を高く掲げた保育実践を通して、一人ひとりが尊重され、そのひとらしく輝いて生きていくことができる地域社会を創造することに少しでも貢献したいと考えています。
子育ては、家庭内で抱え込み、解決すべきことではなく、地域のひととひとのつながり・ひろがり・ふかまりを基盤に支えられる必要があります。ですから、地域に根ざした子育て支援として「子育ての社会化」の視点で安定して提供されることが大切だと考えます。そのために私たちは、地域・親・保育所が手をたずさえて「みんなで子育て」を大切なキーワードに地域に根差したこども・子育て支援を展開していきたいと思います。また私たちは、すべて「とことん現場発」という発想に立って、利用者であるそれぞれの子どもやそれぞれの家庭の個別のニーズにできる限り柔軟な支援の提供とトータルな子育て支援をめざします。そして職員が自分の仕事に誇りと喜び、やりがいをもって、安心して保育に邁進できるためのよりよい運営に努め、「こころのこもった質の高い保育」を地域や利用者である親や子どもたちに提供したいと考えています。


保育目標
    《一人ひとりを大切にする子ども主体の保育》
     -自ら希望を切り拓き、ひとと共生し、社会に貢献できる人に育つために-

  私は愛されている  こころの安定   存在感  安心して健やかに生活できる
  私はしたい     こころの躍動   意欲   自発性を発揮できる
  私はできる     こころの自律   態度   場に応じた行動の仕方を身につける
  私を信頼できる   こころの自信   自負心  自分の才能・能力を信じる
  私は私でよい    こころの充実   自尊感  自分を大切に自由に表現できる
  私とあなたが好き  こころの応答   共感   自分と友達を同時に大切にできる

保育方針
ぶどうの木Inc.では、スタッフをぶどうの木ファーマーFarmerと呼びます。
ファーマー(農夫)が畑を耕し、種をまき、肥料や水をやり、丹精込めて作物を育てるように、子どもたち一人ひとりの成長を丁寧に育む保育をしたいと願っているからです。
保育とは、子どもたちが自らの未来を創るための成長の根と希望の種を育む営みと考えています。私たちは、子どもの未来を見据えて、ひととして自立するために、子どもの「いま・ここで」をかけがえのないものとして、日々質の高い保育を積み重ねていけるように努力します。
勇気づけの保育
 いきいきとした肯定的で効果的なコミュニケーションを通して、子どもとの信頼関係を築きながら、建設的な見方で子どもの長所や能力に注目し、ひとの役に立っていることを感じさせていきます。そして、結果よりプロセスと努力を認めて、失敗を恐れずに前向きにチャレンジするやる気を引き出します。そして、気さくで、ほかの人に関心や思いやりを示し、生き方が積極的で、人生の可能性に肯定的で、しかも熱意と自信に満ちた人間として、活気に満ち充実した人生を築いていける基になる成長の根っこをはぐくむために、責任感ある保育者として『勇気づけの保育』をしていきます。
裁かない保育
 子どもの現象的な好ましくない言動に振り回されて、困った子、悪い子という良い悪いという二者択一的な観点で子どもを捉えません。子どもをありのままに肯定された存在として受け入れ、行動の裏にある肯定的な意図や動機を理解しながら、統合的な観点で関わります。そのために、共感的に子どもの立場を理解できる感受性を持った責任感ある保育者として、子どもの人格と行為を分け、決め付け・押し付けをして子どもを『裁かない保育』をしていきます。
そして保育者は、共感と対話を通して、子ども自ら問題の解決ができるように支援します。
見守る保育
 やるべきことが決められ、指示されるだけの生活は、子どもの意欲や自信を奪い、失敗を恐れ、依存心の強い子どもになっていきます。そこで、子どもたちの育つ力を信頼し引き出すために、指示・命令・禁止・許可をできるだけ避け、子ども自身の失敗や成功の体験を通して、子どもたち自身が感じ取り・気づき・考えることや友達とのトラブルや課題を子どもたちが自ら解決し行動する・伝え合う・協力することを援助します。そのために、観察し傾聴し誘導し引き下がれる柔軟性にあふれた責任感ある保育者として子どもを『見守る保育』をしていきます。

保育の構成と展開の基本的な考え方
0歳から片言の発語が出始め歩行が始まり行動範囲が広がる1歳半までの発達のベースは、母子が一体で、すべてを養育者に委ねながら、健全な愛着関係を通して、基本的な信頼感を獲得する時期です。しっかり依存できる養育者との関係を通して、情緒的な絆が形成され、周囲への関心や養育者とのかかわりによって、意欲が高まる子どもとして成長するための大事なスタートの時期です。
2・3歳児の発達の特徴として、この時期は“発達ざかり”と呼ばれて、発達の高度成長期に当たるといわれています。そのために、自立に向けての発達が目覚しく、当然のように周囲との摩擦や葛藤、トラブルが続出する扱いの難しい時期でもあります。(親の子育て支援!)
大人に頼りたいという気持ちと、ひとりで何でもやってみたい気持ちが隣り合わせており、そのために心の中の葛藤が著しく、子どもはそこから逃れようともがいている時期です。そこでこうした子どもの内面を十分に理解して適切に援助をしてやらないと、その子の真の自立は図れません。そうした意味で保育者には、この時期の子どもの心の内面について深い理解と適切な援助の方法が必要とされています。
また“ダダこね”期とも言われるこの時期の子育て中の親にとっても、子どもの引き起こす葛藤やトラブルに手を焼き、どのように関わっていいかわからず、育児ノイローゼになったりすることもしばしば起こっています。
こうした「この困難な時期を大人の適切な援助によって、どのようにスムーズに切り抜けられるかが、その子の一生の適応を決定する」という成長の根を育む大事な時期である1歳から3歳の子どもの発達の特徴を十分配慮した保育が求められます。
3歳以降になると、自分の身近で大切な人(母親や保育者)が子どもの心の中に内在化されることで情緒的対象恒常性が達成されると、養育者との分離に耐えられるようになります。こうした関係の土台がしっかりすることで父親、きょうだい、仲間とのかかわりが広がってきます。性別への認識も生まれ、役割、規範といった社会性が育ち、良心が形成されます。
私たちは、こうした乳幼児の発達の段階に合わせた保育に配慮するために、マーラーの発達論に準拠して発達段階をおおむね3つの発達ステージに分けたいと考えます。
そこで私たちは、1対1の個別のアタッチメント(愛着関係)が保障されるかかわりに配慮するための「0~1歳児クラス」、自律に向けて自発的な好奇心や“自分から”やろうとする自主性を伸ばすための「2歳児クラス」、愛着関係から脱却して心の絆を糧に仲間遊びや社会性の獲得や“自分でできる”体験の積み重ねを援助するための「3歳児以上クラス」で構成したいと考えています。    

 「保育環境」としての配慮
1) 0歳児~5歳児までの年齢の幅を顧慮に入れて、保育空間の区画に配慮します。特に0~1歳児前半に関してはしっかりと空間を仕切ってあげたいと考えています。

2) 子どもにとって保育室はもうひとつの家庭です。保育室は第2の生活の場でもあります。その意味で、できる限り温かい家庭的な雰囲気に配慮し、遊びから食事、食事から休息などの移行期ができるだけ一連の流れとしてスムーズに子どもが動けるように工夫し、「流れる」保育・「待たせない」保育に配慮したいと考えます。

3) 子どもの生き生きとした自発的、意欲的な活動を触発する環境の構成(豊かな玩具と保育素材による)によるコーナーを設定し自主的な遊びを展開をします。

② 保育カリキュラムとしての配慮
1)年齢別の保育カリキュラムの編成
一人ひとりを大切した子ども主体の保育を展開するための配慮として、年齢ごとの保育カリキュラムを編成する際に、子どもを中心に置き、子どもの中から現れる興味・関心をとらえ、そこから保育のカリキュラムを組織化する「子どもの中心のカリキュラム」と保育者側から仕掛けて行う「主題中心のカリキュラム」と両者を統合したカリキュラムの3つを編成します。
「子ども中心のカリキュラム」の対象は0歳から2歳児までの乳幼児クラスにふさわしいと考えます。質の高い豊かな遊具や保育素材の提供を通して、子どもの興味・関心を保育者との応答を通して引き出す配慮もします。
3歳児以降のクラスは、子どもたちに遊びを通して、試行錯誤を含めた、多様な体験を提供するために「主題中心のカリキュラム」と統合したカリキュラムを併用します。
日常の保育場面ではオランダで開発された自立した遊びができる幼児教育ピラミッドメソッドを導入します。
他者との違いの理解や感情のコントロール、問題解決のスキルなどコミュニケーション構築能力をワークショップ形式で学べるセカンドステップ(1/週×28回)を4歳児より導入します、日常保育の積み重ねをベースに、こどものおもしろがるわくわくした好奇心や意欲に基づくチャレンジによる達成感や仲間との一体感を通して、飛躍的な成長のストレッチを促す共同的な遊びやプロジェクト型の取り組みを積極的に展開します。こうした活動をとして、ひとり一人の子どもの心に未来に向けての希望への種を育みたいと願っています。

2)異年齢の縦割り保育の実践
発達特性を踏まえて複数のクラスに分けて保育体制やカリキュラムを構成していくが、3歳児以上クラスは異年齢の縦割り保育となります。異年齢の縦割り保育の利点として、個別の発達課題に配慮でき、年長児が年少児の世話をしたり援助したりといった体験を通して思いやりの気持ちや年長児として自覚が芽生えるなどの契機になること、
また逆に年少児が○○ちゃんのようにできるようになりたいという憧れの思いや身近な成長のモデルになることで発達が促されるなどの優れた利点がみられると考えています。
さらに乳児を含めた縦割り交流も意図的に入れていきたい。地域との交流などを積極的にすすめることで、ナナメの関係でのひととの交わりも行っていきたい。 

3)保育の連続性に配慮し小学校以降を見通した保育の実践
保育所保育指針の保育課程の定義によれば「地域の実態、子どもや家庭の状況、保育時間などを考慮し、子どもの育ちに関する長期的見通しを持って適切に編成されなければならない」とされています。
子どもの発達段階を配慮しつつ、発達の連続性・一貫性を維持することも重要な課題であると考えます。
その意味で小規模(30名から60名定員)という保育所の利点を活かして、保育スタッフ全員で担当やクラスにこだわらない一人ひとりの子どもをスタッフ全員で保育するという視点を大事にしたいと考えます。
同時に幼児期の保育が、単に就学という点に接続するのではなく就学に始まる学童期、思春期、青年期までの発達の土台となる重要なものであるという認識が必要と考えます。
思春期の問題は、幼児期の問題でもある(児童養護施設での実践で痛感!)のです。
保育所保育指針にも保育所の保育は、「子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培う」こととされています。子どもが自分の人生を自分のものとして作り上げていく「私」としての主体として生きる力を育むことを保育の大事な視点として、子どもが現在を最も良く生きることができるような保育のカリキュラムを展開できるように不断に努力していきたいと考えています。